
時は1990年代。長年の地道な捜査が実を結びました。ニューヨークの暗黒街を牛耳るゴッドファーザー・Johnny Gotaの逮捕です。246もの罪状により、残りの人生を塀の向こう側で過ごすことになるでしょう。
もし無事に戻ってこれたなら引退し、自分の留守中に組織に最も貢献した者に跡目を譲る。そうJohnny Gotaは言いました。大幹部達にとって、このメッセージの意味するところは明白です。陪審員を買収し、証人を消し、賄賂で評決をひっくり返せと。さあ、後継者レースの始まりです!
しかし気を付けなければなりません。我が身の安全を条件に、FBIに内通する裏切り者がいるかもしれません。もしかしたら何人も。
さて、結審までの6ヵ月間、最も上手く立ち回るのは誰なのでしょうか。
今回紹介するのはAsmodee/Hazgaardの『Nostra citY』です。3~5人用で時間は約60分とBGGには登録されています。上の概要でも触れましたが、このゲームは終了時の状況によって勝利条件が変わります。まずはそれを説明しましょう。

これがゲームボード。上の方に青と赤の丸が連続して描かれていますね。これがゴッドファーザーの行く末を決める評決トラックです。

これが初期配置完了の図。白い評決マーカーが赤の8に置かれています(3人プレイ時)。ゲーム中、評決マーカーは青の12から赤の12の間を行ったり来たりします。終了時に評決マーカーが青いマスにあればゴッドファーザーは無罪放免。逆に赤いマスにあれば有罪確定となります。通常は評決を無罪に持って行くことがプレイヤーたちの第一目標となるのですが……
【勝利条件】
A) ゴッドファーザーに無罪判決が言い渡された場合
裏切り者を除き、最も多くの羨望ポイント(勝利点のこと)を稼いだプレイヤーが優勝。次のゴッドファーザーとなります。同点の場合は、その中で最も得点の高い称号カード(後述)を持っていたプレイヤーの勝利です。
B) ゴッドファーザーに有罪判決が下された場合
裏切り者の中で最も多くの羨望ポイントを稼いだプレイヤーが次のゴッドファーザーです。同点時の処理はAパターンと同じ。
Bパターンで、かつ裏切り者が1人もいなかった時は、プレイヤー全員が敗北します。
【準備】

各プレイヤーは、ワイズガイ・カード3枚と縄張りカード1枚を受け取り、表向きで自分の前に置きます。
初期資金として$5,000を2枚、そして有罪1のアイコンのある$10,000と無罪1のアイコンのある$10,000を1枚ずつ(計4枚、$30,000)の紙幣カードも受け取ります。これらは裏がえしておきます。
自分の担当する色を決めます。自分の色のロケーション・カード4枚1組を受け取ります。このカードには1~4の数字が書かれており、ミーティング・フェイズでの競りに使用します(後述)。

羨望トラックの左上に、自分の色の大幹部トークンを置きます。これで各プレイヤーの羨望ポイントを管理します。
【ゲームの流れ】
ゲームは6ヶ月間(6ターン)行われます。1ターンは4つのフェイズからなります。どのフェイズもスタートプレイヤー・カードを持っているプレイヤーから時計回りの順に実行していきます。
- ビジネス・フェイズ
- ミーティング・フェイズ
- トライアル・フェイズ
- レセプション・フェイズ
ビジネス・フェイズからレセプションフェイズまで順番に処理をしたら、次のターンのビジネスフェイズを行い……と、これを6回繰り返します。
≪ 1.ビジネス・フェイズ ≫
ワイズガイと呼ばれる部下に、縄張りでのビジネスを命じます。早い話が現金収入を得るわけです。後々のために部下を温存したいのであれば、ビジネスを行わないという選択もありです。

ワイズガイの一例。左上に指紋アイコンがあります。

縄張りカードの一例。地域ごとの色(ブロンクスは赤、ブルックリンは緑など)と、左下のビジネスの種類を示すアイコンが重要になります。
1.正位置(アンタップ状態)のワイズガイと縄張りを1枚ずつ横向き(タップ状態)にします。この2枚を1組とします。
2.横向きにした縄張りの「色」か「アイコン」のいずれかを選択します。
補足: 組は1手番に最大で4つまで作れます。色で1組+3種のアイコンを1組ずつ=4組です。
例: 太郎さんは組を2つ作りました。1組目は色(黄色:クイーンズ)、2組目はアイコン(カプセル)です。まだ縄張りカード(青:スタテンアイランド&カプセルのアイコン)があるのですが、残念ながら組にはできません。カプセルのアイコンは2組目で使われています。青は未使用ですが、やはり組にはできません。なぜなら既に色での組も作られているからです。何色であるかは問題ではなく、色が使われたかどうかが重要なのです。サイコロのアイコン、あるいはハイヒールのアイコンの縄張りカードがあれば(当然、それぞれにワイズガイが必要です)組にできたのですが。
3.全プレイヤーの前に置かれている縄張りカードに、選択した色またはアイコンがいくつあるのか数えます。カードの向きは関係ありません。タップ/アンタップ、どちらのカードも数えるのです。
4.その合計と同じ枚数だけ紙幣カードを引きます。
5.引いた紙幣カードを他のプレイヤーに分配できます(任意)。その枚数を引けたのは、他のプレイヤーの縄張りがあってのことなのですから。該当する縄張り1つにつき、紙幣1枚を渡しましょう。
6.しかし、分配をケチっても構いません。分け前に預かれなかったプレイヤーは不足分と同じ枚数の報復カードを引きます。
注意: 分配できるのは4番の処理で引いた紙幣カードだけです。それ以前から持っていた紙幣カードを、他のプレイヤーに渡すことはできません。
紙幣カードの山から警察の手入れカードを引いた? なら、もうそれ以上、紙幣カードは引けません。紙幣カードの捨て札を山に戻して良く切り直します。警察の手入れにより、期待した分け前をもらえなかったプレイヤーがいたら、不足分だけ報復カードを引くことになります。
(訳注: あくまで分け前に預かれなかったプレイヤーが対象なので、手番プレイヤーが報復カードを引くことはないと思います)
特殊な処理として、手番プレイヤーがスタートプレイヤー・カードを持っていた場合、それを紙幣カード1枚の代わりとして使うことができます。渡されたプレイヤーは、次のフェイズから新しいスタートプレイヤーになります。ただし、渡されたプレイヤーは次のターンになるまで、スタートプレイヤー・カードを他のプレイヤーに譲ることはできません。
例: 太郎さんは、サイコロのアイコンでビジネスを行いました。該当する縄張りは、自分の前に1枚。そして花子さんの前に2枚です。ですから、太郎さんは合計3枚の紙幣カードを引きます。できれば1枚も渡したくないのですが、そうすると花子さんが報復カードを2枚も引くことになってしまいます。やむを得ず額の一番低い紙幣カード1枚と、スタートプレイヤー・カードを花子さんに渡しました。これで花子さんは報復カードを引くことはありません。このラウンドのミーティング・フェイズから、花子さんがスタートプレイヤーになります。
≪ 2.ミーティング・フェイズ ≫

ゲームボード最下段にあるストリート・マスに、ストリート・カードを表向きで4枚並べます。ストリート・カードには大きく分けて4種類があります。
- ワイズガイ・カード
- 縄張りカード
- 羨望カード
- 捜査カード
第2ラウンドの終わりには、空いているストリート・マスに、称号カードの1枚「アンダーボス・カード(後述)」を置きます。

羨望カードの一例。左上に葉巻が描かれています。贅沢品やステータスなど、大幹部に必要不可欠な物を表します。左下の数値は羨望ポイントです。
ストリートマスに並べられた4枚の中から欲しいカードを獲得しましょう。と言っても、他のプレイヤーも同じことを考えているでしょう。そこで、スタートプレイヤーから時計回りに、以下の手順で競りの入札を行います。
1.正位置(アンタップ状態)のワイズガイを横向き(タップ状態)にします。
2.そのワイズガイの上に、裏がえしのロケーション・カード1枚を置きます。欲しいストリート・カードが2のマスにあるなら、2番のロケーション・カードを選ぶのです。
3.その2枚の間に、手持ちの紙幣カードを裏がえしで何枚でも挟むことができます。ただし最低でも1枚は投入してください。
注意: 挟んだ紙幣カードの枚数や合計額を、他のプレイヤーに教えてはいけません。
2枚以上のストリート・カードに対して競りを行っても(ワイズガイと紙幣カードを投入しても)構いません。上手くいけば同時に複数枚のカードを獲得できます。
全てのプレイヤーが入札を行ったら、落札者を決定します。全員同時にワイズガイの上に置いたロケーション・カードを表向きにします。誰がどのカードを落札したのかを、ストリート・マスの1から順に見ていきます。
・ 入札していたのが1人だけなら、そのプレイヤーが落札者になります。投入した紙幣カードの中から1枚を選んで、自分の手元に戻すことができます。残りの紙幣カードは捨て札にします。投入額を他のプレイヤーに教える必要はありません。
・ 2人以上が入札していたら、投入した紙幣カードを全て表向けにします。最も高い額を投入したプレイヤーが落札者です。落札できた/できなかったに関わらず、全ての紙幣カードは捨て札になります。
・ 最高額のプレイヤーが2人以上いた場合は、誰も落札できません。全員の紙幣カードを捨て札にします。そのストリート・カードは、そのストリート・マスに残り、次のラウンドのミーティング・フェイズで再び競りの対象となります。
落札したカードは、自分の前に表向き&正位置(アンタップ状態)にして置いておきます。羨望カードなら、左下に描かれている分の羨望ポイントを即座に獲得します。
捜査カード
捜査カードの一例。左上には弾丸。ストリートに残ってしまうと、組織に(つまり全プレイヤーに)良くないことが起こります。
捜査カードは処理が特殊なので、ここで説明します。捜査カードが落札されずにストリート・マスに残ってしまうと、全プレイヤーに悪影響を及ぼします。2枚・3枚の捜査カードが残ってしまうと大変なことになりますから、できるだけ早く取り除いた方が賢明でしょう。
捜査カードへの入札額を全て足し合わせます。通常の競りとは異なり、全プレイヤーの入札額の合計が重要なのです。合計金額が、その捜査カードに描かれている金額(Backhander=賄賂)と同じか上回っていれば、悪影響は即座におさまります。
最高額を投入したプレイヤーが、その捜査カードを受け取って、左下の羨望ポイントを獲得します。最高額のプレイヤーが2人以上いた場合は、誰のものにもならずゲームから除外されます。
金額が下回っていれば、その捜査カードはストリート・マスに残ります。当然、悪影響はおさまりません。投入された全ての紙幣カードは捨て札になってしまいます。もし1人だけが入札していたとしても、1枚も手元に戻りません。全ての紙幣カードを捨て札にするのです。
アンダーボス・カード(称号カード)

左からPrimo Capo、Underboss、Consigliere。第2ラウンドの終わりにUnderbossが空いているストリート・マスに置かれ、第3ラウンドのミーティング・フェイズで競りの対象になります。
アンダーボス・カードを落札した場合、通常の競りの処理を一時中断します。以下の特殊な処理を全て行った後で再開してください。
1.まず落札者はアンダーボス(Underboss)カードを受け取り、羨望ポイントを3点獲得します。
2.そしてコンシリエーレ(Consigliere)カードを、他のプレイヤーに渡します。
3.受け取ったプレイヤーは羨望ポイントを2点獲得します。
4.コンシリエーレのプレイヤーはプリモ・カポ(Primo Capo)カードを、まだ称号カードを受け取っていないプレイヤーに渡します。
5.受け取ったプレイヤーは羨望ポイントを1点獲得します。
ミーティング・フェイズで、ただの1枚もカードを(ワイズガイ、縄張り、捜査、称号のいずれも)獲得できなかったプレイヤーは、報復カードを1枚引きます。
≪ 3.トライアル・フェイズ ≫
このフェイズは、陪審員に賄賂を贈って評決を操作します。
1.正位置(アンタップ状態)のワイズガイを、好きな数だけ横向き(タップ状態)にします。
2.横向きにしたワイズガイと同じ枚数の紙幣カードを、賄賂置き場に裏がえしで重ねます。

ゲームボードの、ここが賄賂置き場。Johnny Gotaの尊影と思われます。
贈賄屋(Zealous Corruptor)

贈賄屋カード(Zealous Corruptor)。適当な訳語が見つからなかったので適当に命名。
第4ラウンド以降、賄賂を贈ったのが1人だけだった場合、そのプレイヤーは贈賄屋カードを受け取り、羨望ポイントを1点獲得します。2人以上が賄賂を贈っていれば、誰もカードを受け取りません。
≪ 4.レセプション・フェイズ ≫
このフェイズは、次のラウンドの準備を行うだけです。以下の順番で処理します。
1.横向き(タップ状態)のワイズガイと縄張りのカードを全て正位置(アンタップ状態)に戻します。
2.各プレイヤー、手持ちの紙幣カードの枚数を数えます。もし7枚以上あれば、6枚になるまで捨て札にします。どれを捨てるかは自由に選んで構いません。
3.ストリート・マスに残っている捜査カード1枚につき、評決マーカーを右側へ(赤の12に向かって)1マス進めます。マーカーが既に赤の12にあるなら何もしません。
4.空いているストリート・マスがあれば、ストリートカードの山からカードを引いて配置します。
5.日付トークン(ラウンドマーカー)を1マス進めます。

この黒いのが日付トークン。1つ下のカレンダーに移動させます。
第2ラウンドのレセプション・フェイズには、アンダーボス・カードを配置することを忘れないでください。空いたストリート・マスがない時は、1番のストリート・マスの置かれているカードをゲームから除外して、そこにアンダーボス・カードを置きます。
重要: 第6ラウンドでは、レセプション・フェイズの代わりに、最終評決を行います(後述)。
【評決とゲーム終了】
中間評決
1.第3ラウンドの最後に、スタート・プレイヤーは賄賂置き場の紙幣カードを手に取って、良く切ります。
2.1枚ずつ順番に表向きにしていきます。紙幣カードの左に描かれているアイコンに従って、評決マーカーを移動させます。いずれかの端まで行ったら、それより先には進みません。

左上の紙幣カードなら右に(赤の12に向かって)2マス、右下のであれば左(青の12に向かって)3マス、評決マーカーを動かすわけです。
3.評価マーカーの移動が全て完了したら、紙幣カードを全部集めて新しい紙幣カードの山を作ります。
最終評決
第6ラウンドではレセプション・フェイズの代わりに最終評決を行います。
1.スタートプレイヤーから始めて時計回りに1周します。手番がきたら未使用の報復カードを何枚でも使うことができます。
2.贈賄屋カードが誰のものにもなっていなければ、ゲームから除外します。
3.条件を満たしているプレイヤーにゲーム終了ボーナス・カード(後述)が与えられます。2人以上が条件を満たしていれば、誰もそのカードを獲得できません。
4.中間評決と同じように、賄賂置き場にある紙幣カードを使って評決マーカーを移動させます。
5.ストリート・マスに残っている捜査カード1枚につき、評決マーカーを右に(赤の12に向かって)1マス移動させます。

FBI Snitch。これを引いたプレイヤーは評決を有罪に持っていく必要があります。
6.報復カードの「裏切り者(FBI Snich=FBIの密告者)」を持っているプレイヤーは、それを表向けます。内通者が正体を明かすのです。
7.評決マーカーの位置と裏切り者の有無によって勝者を決定します。
後継者決定
評決マーカーが青いマスにあれば、ゴッドファーザーは無罪です。裏切り者以外で、最も高い羨望ポイントを獲得したプレイヤーが後継者に選ばれます。同点の場合は、より得点の高い称号カードを持っている方が勝ちます。
(アンダーボス > コンシリエーレ > プリモ・カポ > 称号カードなし)
評決マーカーが赤いマスにあれば、ゴッドファーザーは有罪です。裏切り者の中で、最も高い羨望ポイントを獲得したプレイヤーが勝利します。同点の場合は、より得点の高い称号カードを持っている方が勝ちます。
有罪判決が出たものの、裏切り者がいないと言う異常事態が起こったなら、全員が敗北します。ゴッドファーザーが証人保護プログラムを受け入れ、組織を壊滅に追い込めるだけの情報を司法当局に提供するからです。
【ゲーム終了ボーナス・カード】
いずれのカードも、条件を満たしたプレイヤーが2人以上いれば、誰のものにもなりません。
「Fine Team」 ワイズガイと縄張りのカードを最も多く持っている(自分の前に置いている)プレイヤーに与えられます。
「Wisdom and Virtue」 未使用の報復カードを最も多く持っているプレイヤーに与えられます。
「Full of cash」 手元の紙幣カードの合計額(枚数ではありません)が最も大きいプレイヤーに与えられます。